奈良県は要介護者が今後増えると見込まれており、介護に従事する人材の確保は他府県と同様に重要な課題となっている。このような背景がありながら、介護職は他の職種よりも離職率が高い傾向にあるため、介護業界の人材不足に対する対策は早急に手を打つ必要がある。
奈良県では積極的に人材を確保するための取り組みに力を入れている。介護の仕事に就きたいと考えている人にとって、奈良県は非常に魅力的な環境である。

奈良県では、有職者や関係機関に代表者などで構成された「奈良県福祉・介護人材確保協議会」を発足している。ここでの協議や情報発信を積極的に行い、様々な取り組みを実施している。
また、介護職を将来の職業選択の一つとするため、中学生を始めとする若い世代に向けた情報誌も発行されており、福祉・介護の仕事の魅力を発信することが可能となっている。さらに、学生や求職者に向け、安心して応募や就職ができる介護事業所の案内も行っている。
奈良県には「奈良県福祉・介護事業所認定制度」があり、県が審査して基準をクリアした事業所を知事認証し、公表している。ここで案内される事業所は、奈良県知事が安心して働けると認証した事業所である。

介護の仕事に関する疑問や不安の解消を目的として、奈良県福祉人材センターでは求職者の相談に応じ、情報を提供している。介護職への就職を斡旋したり紹介もしている。
介護職の求人募集は奈良市や大和郡山市、橿原市周辺に多い傾向にあり、資格取得支援や年間休日、残業時間など待遇面が充実している募集も比較的多くなってきている。奈良県は介護業界の人材確保への取り組みがしっかり行われている県である。